ずっと大好き…この恋は秘密 …


それにしても…

やっぱり自己嫌悪…


浅井さんとっといて

『嫌です』とか…


ありえない…



大きなため息と一緒にレジに突っ伏したみのりの頭を圭司が叩く。


「浅井とケンカ?」


叩かれた後頭部を押さえながらみのりが顔をあげた。


「違うよ。

悪いけど浅井さん超優しいしケンカになんかなんないもん」




…あたしが何言っても

あの笑顔で丸め込まれちゃうだけだけど…




「じゃあ…

こないだの浅井妻か」


「……」


圭司の言葉にみのりがまた一つため息をつく。


「やっぱりな。

何言われたんだよ。

『絶対別れないから』とか言われた?」


浅井と同じくらい低い声の圭司の声はよく通る。


甘く響く浅井の声とは違って
ハキハキした運動部系の威勢のいい声。


「……」


「図星?」




…言ったのはあたしだけど。




「…言われるより言ったほうが気分悪いもんなんだね…」


みのりのポツリと言った言葉に圭司が驚いて目を大きくさせた。


「佐倉が言ったの?!」


みのりが慌てて口を押さえながら圭司を気まずそうに見た。


そんなみのりに圭司が呆れたようにため息をつく。


「おまえさぁ、オレになんか気使ってない?

逆に気まずいんだけど?


…別に平気だから普通に話してくれよ(笑)

気持ち悪い(笑)」


苦笑いする圭司を見て

みのりがゆっくりと口を開く。


「…あたしが言っちゃったの。

『別れません』って…」


「へぇ、やるじゃん。

昼ドラみたい(笑)」


じろりと睨むみのりを見て圭司が笑った。


「もぉっ!

ちゃかすだけなら言わなきゃよかった!」


「別にそんな悩むことじゃねぇよ(笑)

大丈夫だって」


悪気がないのが不思議なくらい軽い返事にみのりが肩を落とした。


「…超適当だし」


また一つ大きなため息が広いフロアに響いた。



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