ずっと大好き…この恋は秘密 …
「あけおめ〜!!」
クラスの騒がしいグループが
黒板にこれでもかってほど大きく文字を書いていた。
『あけおめ!!』
『メリクリ!!』
『彼氏募集中!!
ただしイケメン限定』
…いや、黒板で募集しても(笑)
…元気だな(笑)
遠巻きに見ているぶんには楽しいクラスメイトを見ながら
みのりが顔を緩める。
「みのり〜…
仮免落ちたぁ」
暗い声に振り向くと
がっくりと肩を落とした里奈の姿があった。
「あ、里奈おめでと〜」
「…嫌み?」
顔を歪めながら聞き返す里奈に
みのりが両手を振って弁解する。
「違うよっ(笑)
新年!ほらっ」
黒板を指さすと里奈の視線が黒板に移り…
ため息をつく。
「彼氏よりも今は免許が欲しい…。
いいなぁ…
みのりはラブラブで」
…今免許の方が欲しいって言ったくせに(笑)
何を言っても悪くとられそうで
みのりが黙っていると担任が入ってきた。
そしてしばらくカラフルにされた黒板を見つめてから…
「…何語だ」
担任がポツリと言った。
「えぇ?!
知らないのヤバいって!
先生超オヤジ(笑)」
「…え〜と、今日は9時20分から体育館で始業式で…」
無視して話し始めた担任に騒がしいグループの態度が悪くなる。
険悪な空気が教室に流れるがいつもの事だった。
誰も気にしない様子で担任の話を聞いてる振りをする。
半数の生徒が机でケータイを隠しながら…
『超オヤジ』
みのりには関係ない事なのに
何故が頭から離れない。
…浅井さんは分かるよね?
『あけおめ』…
怖くて聞けない(笑)
顔を緩めながら窓から見える四角い空を見つめた。
青い空にぽこんと浮かぶ大きな雲がみのりの好きなキャラクターに見えて…
笑みがこぼれた。
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