ずっと大好き…この恋は秘密 …
「つぅか今日も教習なんだけど」
始業式が終わり教室に向かう途中で里奈が言った。
3年の教室は3階にあって階段がかなり面倒くさい。
「送迎バス?」
「自転車じゃ面倒くさいしね。
あたし以外にも結構あそこの教習所行ってる人いるから割と迎えに来てくれるんだよね。
今少子化だし
教習所も送迎とかしないと生徒が集まらないんだってお母さんが言ってた」
里奈の言葉にみのりが頷いていると
後ろを歩いていた美咲が声をかける。
「あたしも2月の自由登校の時に通おうかと思ってるんだけど…
里奈んとこカッコいい先生いる?」
「一人もいないっ!」
里奈よりも早く返事をしたみのりを…
美咲は不思議そうに
里奈は含み笑いしながら見ていた。
「や…ってゆうか…
オヤジばっかだよ」
「そうだね(笑)」
笑いをこらえながら里奈がみのりのフォローをする。
「心配が絶えないね(笑)」
みのりにだけ聞こえるように言う里奈を
みのりが肘でつついた。
…教習所の先生って絶対モテる。
あの、車の中の雰囲気は絶対にやばいよ。
二人きりで密室で…
浅井さんを信じてるとかそんなん関係なしに気になって仕方ない…
いくら強く信じてても…
やっぱり心配だよ…
好きな限り心配なんだ…
しかも2月の自由登校になったら…
うちの高校から教習所行く人かなり増えるし…
『心配が絶えないね』
…本当だよ。
小さくため息をつきながら長い階段を登りきる。
「ってゆうか3年を1階にして欲しい…
毎日毎日上り下りしてんのに痩せないし、やんなっちゃう」
後ろでぼやく美咲に
みのりと里奈が頷いた。
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