ずっと大好き…この恋は秘密 …
「それ抵抗してんの?(笑)
少しくらい大丈夫だって…」
びくともしない浅井の腕に
みのりが諦めたようにおとなしくなった。
浅井の肩に顔をうずめると
浅井の匂いがみのりを包む。
いつものタバコの匂い…
「…禁煙するって約束したのに」
「え…あぁ(笑)
忘れてた(笑)
明日からするよ」
軽く答える浅井にみのりが頬を膨らます。
「明日からとかって絶対しない…」
みのりの顔を覗き込むように見つめた浅井が
みのりの唇をふさいだ。
『学校』という響きがみのりの理性を引き止める。
「だ…めっ」
顔を背けるみのりの顎をあげて
浅井がキスを続ける。
「…っ」
頭と顎を固定されて…
逃れる事のできないみのりが浅井のYシャツを握りしめた。
いつもより長いキスがようやく終わって…
浅井の唇がみのりの首筋に口付ける。
「浅…ちょっと!」
びっくりしたみのりが声を出すと浅井がゆっくりと唇を離した。
そして大きく息を吐いた。
「…生き地獄(笑)
次会った時続きしような」
そう笑う浅井に
みのりが顔を赤くした。
「先生遅いよ!
しかも遅刻したやつ連れてきてないし!」
「悪ぃ。
なんか勘違いだった」
平然とバスに戻っていく浅井を少し悔しそうに見つめながら
みのりは駐輪場に向かった。
バスが発車する時
一瞬だけ浅井がみのりに手をあげる。
ぷいっと顔を背けてからもう一度バスに目を移すと
里奈が大きく手を振っていた。
口元が少し動いて…
『キスマーク』
里奈の言葉がわかった途端
みのりが首元を手で隠した。
怒りたいのに…
つい緩んでしまう口元が悔しかった。
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