ずっと大好き…この恋は秘密 …

一時の幸せ




夜中の道は空いていて
いつもなら20分かかる道が10分程度で着いた。


浅井が車を止めると
すぐにみのりがでてきた。


白い息を吐きながら助手席に座るみのりに浅井が話しかける。


「親…大丈夫?」


浅井の言葉に
みのりが笑顔を向ける。


その顔にはまだ泣き跡が残っていた。


「うん。

明け方から本屋の棚卸しになったからってメモ置いてきた」


「…それ大丈夫か?(笑)

すぐバレない?」


疑うように笑う浅井にみのりが膨れる。


「大丈夫だよ。

浅井さん…何かあったの?」


心配そうに聞くみのりに
浅井がふっと笑った。


深夜2時。

外はたまに車が通るくらいで静まり返っている。



「何かあったのはみのりだろ?

…沙紀に何言われた?」



真剣な浅井にみのりが目を泳がせた。


そしてしばらく黙り込んだ後口を開く。


「…たいした事じゃないんだ。

でも…なんかね…


なんか…つらくなっちゃって…」


そう言ったみのりの目に涙が浮かぶ。


それ以上は言えずに泣くみのりを

浅井が自分の胸に引き寄せた。



「オレさ…

みのりが望む事ならなんでもやってやりたいんだ…」


浅井が腕の中のみのりに優しく声をかける。



「みのりは…

オレといるとつらい?



もう…別れたい?」


言葉を途切れさせながら言った浅井にみのりが首をふる。



「オレ…

会えない間ずっと考えてたんだ。


オレといてもみのりはつらいだけだなって…」


みのりが何度も首を振る。


『そんなことない』

そう言いたいのに声がでない…







何も言わないみのりを抱きしめながら…







浅井が悲しそうに…




ゆっくりと口を開いた。







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