ずっと大好き…この恋は秘密 …
2度目のサヨナラ…
「…一緒に行こうか?」
授業が終わり
駐輪場で一緒になった祐が言った。
心配そうな祐にみのりが笑顔を向ける。
「大丈夫」
今日は水曜日…
沙紀との約束の日だった。
浅井さんへの強い気持ちを確認したばかりなのに
やっぱりあまり話したくはなくて…
それでもみのりの自転車はまっすぐに教習所に向かう。
みのりの気持ちとは裏腹な追い風が少し恨めしかった。
20分くらい自転車を走らせた時
目に教習所が映った。
駐輪場に自転車を止めてゆっくりと中に足を踏み入れる。
自転車をこいでいた時感じていた追い風が緩く吹いている。
1月末の風は穏やかでもとても冷たい。
緊張と懐かしさが混ざり合って変な気分で…
でも不思議と落ち着いていた。
教習所の入り口横にあるベンチに沙紀の姿を見つけた。
沙紀も心なしか落ち着いた表情をしていて…
みのりを見て小さく手を振った。
「ごめんね…
わざわざ来てもらって…
どうしても話したい事があったの…
…佐倉さんに」
みのりが沙紀と少し距離を開けてベンチに座る。
「寒いでしょ?
はい、これ」
沙紀が差し出した缶コーヒーを受け取る。
暖かい缶コーヒーは
冷え切った手には少し熱すぎるほどだった。
「…ありがとうございます」
そう言うみのりに沙紀が微笑む。
その笑顔は…
やっぱり落ち着いたものだった。
「遼太の…家の事なんだけど…
聞いた事ある?
お父さんの事…」
「…仲がよくないって聞いてます。
それだけじゃないんですか?」
沙紀が視線を前に向けて…
ゆっくりと口を開いた。
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