ずっと大好き…この恋は秘密 …
『遼太と別れて―――…』
頭の中がその言葉でいっぱいになる。
いつか言われた時とは違う。
正しいとか間違ってるとか…
そんなんじゃない…
あたしが割り込んだからとか…
沙紀さんが奥さんだからとか…
そんなんじゃない。
こんな話を聞いて
沙紀さんの気持ちを知って…
頷かない人がいるの…?
言い返す言葉も見つからない。
「お願い…」
沙紀が頭をさげる。
涙を流してるのがわかった。
あまりに唐突すぎて…
声もでない。
なんで…
不倫相手になんか頭を下げてるの?
泣いてまで…
そんなに…
浅井さんが…?
『好き』の大きさなら負けないけど
気持ちの深さでは負けないけど…
だけど…
『適わない』―――…
そう思った…
「…絶対に浅井さんを1人にしないですか?
あの部屋に…
帰りますか?」
自分が言える言葉じゃない事はわかっていた。
それでもどうしても確認したかった。
自分の目で確認する事はもうできないだろうから…
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