ずっと大好き…この恋は秘密 …
「約束する。
…先週、あたしここに来て職場の人達に挨拶したの。
自分で逃げ出さないようにけじめをつけたくて…
佐倉さん以外の人に
初めて『妻』ですって言った。
頑張ってそうあり続けたいと思ってる」
沙紀の微笑んだ顔が…
とてもすっきりしていた。
決意した顔だった。
浅井さん…
あたしは今
どんな顔してる…?
沙紀さんみたいな顔してる自信がないよ…
あの夢…
そういえば誰にも言わなかったな…
忘れてたんじゃないよ。
言えなかったんだよ。
言葉にするのが怖かったの…
言葉にしたら
現実になっちゃう気がして…
怖くて言えなかったの…
それなのに
一番怖かった事が…
本当になっちゃった…
一番望んでた事が
遠ざかっていく…
冷たい風がみのりの体を芯から冷やしていく…
『遼太と別れて』
沙紀の言葉に…
みのりが
頷いた―――…
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