ずっと大好き…この恋は秘密 …



『みのり、どうかした?』


優しく聞く浅井の言葉に答えられない。




『サヨナラ』を

言わなくちゃ…




そう思うのに声が出ない…


喉が苦しい




言葉よりも先に泣き声がもれた。



『…泣いてる?』


浅井の言葉に首を振る。

息苦しい胸を押さえながら
必死に声を出した。



「泣い…てない…」


『嘘つくなよ』


浅井の少し怒ったような声が返ってくる。




その声に

みのりの気持ちが少しだけ揺らぐ。






大丈夫だよ…

沙紀さんなら浅井さんを幸せにできるよ…



浅井さんだって本当の沙紀さんを知れば…


きっとうまくいく。




浅井さんが幸せなら…


それが一番じゃない。





目を閉じて

必死に自分に言い聞かせた。





沙紀さんと別れてあたしと付き合ってたら…

ますますお父さんと疎遠になっちゃうだろうし…


そんなのよくないし…


絶対…


よくないし…




『…みのりどこにいる?

今から行くから待ってて』


ケータイ越しの浅井の言葉にみのりが首を振る。




優しい言葉が…

余計つらくさせる。




「このまま…聞いて」



震える声でそう言った。






『離れたくない』

そう思うのはあたしが自分の事しか考えられないからなのかな…




最悪だね…


あたしは…

最後まで自分の事ばっかり…





こんなんで

沙紀さんに適うはずなんかないよね…






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