ずっと大好き…この恋は秘密 …


崇さんをまた好きになりかけている自分を止めて…


浅井さんと頑張ろうとした沙紀さんには…

やっぱり適わないと思った。



好きになる気持ちは…


あたしには止められなかったから。


沙紀さんと結婚していることを知っても…

止められなかったから…


好きな人の告白を振り切って
頑張る事を決めるのは…


どのくらいの覚悟がいたんだろう…



崇さんだってそう…

沙紀さんが好きなのに浅井さんとうまくいくことを望んで…



あたしには…


できないよ…





みのりが手の中でぬるくなった缶コーヒーを握りしめた。



「…あたしは

ずっと…

遼太の事が好きだったの。


それなのに…あの時なんで逃げちゃったんだろう…


ずっと…後悔してた」


沙紀がうつむいたまま寂しげに笑った。


そんな沙紀に浅井が微笑む。


今までの2人にはありえないくらいの穏やかな空気が流れていた。


「でも…

そのおかげで今こうしてるんだし(笑)

不謹慎だけど…

沙紀には感謝してる」


浅井が
ちらっとみのりに目を向けた。


「…そんな言葉

遼太から言われるなんて…

思ってなかった…」


沙紀の目にうっすらと涙が浮かぶ。


でも

その瞳は悲しそうではなかった。






沙紀さんは…

今までどれだけ自分を責めていたんだろう…


『感謝してる』

たった一言で涙がでるくらい…

ずっと…

つらかったんだ…


それでも浅井さんとやり直すために…



この手を握るために…

頑張ってたんだ…



みのりが繋いでいる浅井の手を見つめた。



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