ずっと大好き…この恋は秘密 …
「…そんなに佐倉さんが大事?」
沙紀が涙ながらに浅井に聞いた。
沙紀の言葉に浅井が微笑んで…
みのりの手を強く握る。
「大事…。
他の事なんかどうなってもいいくらい…」
その言葉に沙紀が微笑んで…
みのりはうつむいた。
浮かんでしまった涙を隠すために…
「…何感動してんだよ(笑)」
そんなみのりに気づいて浅井が覗き込んだ時
教習所のベルが鳴った。
「あ、やべ…
次入ってんだ…
…もう話すことないよな?」
浅井が沙紀を見ながら言うと
沙紀が少し浅井を見つめてから頷いた。
「みのり、あと一時間だから待ってろよ」
みのりが頷いたのを見て浅井が教習所の建物の中に入って行った。
「あの…
ごめんなさい…
やっぱりあたし浅井さんが好きで…
大好きで…だめなんです。
離れられません」
まっすぐな目でそう言うみのりに沙紀が悲しそうに微笑んだ。
「…あたしももっと素直になれたら…
遼太も少しは好きになってくれたのかな…」
「…それじゃオレが困るんだけど?」
寂しそうに言う沙紀を崇が見つめていた。
「オレ…旦那さんとはちょっと違うかもしれないけど
沙紀を幸せにする自信はあるよ。
沙紀の素直じゃないところも…
オレはよくわかってるしね(笑)」
崇の言葉に沙紀の目に再び涙が浮かぶ。
「…でも
遼太に振られたからって崇と付き合うなんて…
そんないい加減な事…」
「沙紀さん、崇さんが好きなんでしょ?」
突然の言葉に沙紀がみのりを振り返った。
涙目の沙紀にみのりが微笑んで続ける。
「ここは素直になるところですよ」
微笑むみのりから沙紀が目を逸らして…
気まずそうに笑った。
そんな沙紀の肩を崇が抱いた。
2人が照れながらもうれしそうに笑っていて…
みのりも笑顔になった。
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