ずっと大好き…この恋は秘密 …
電話の向こうでみのりが黙った。
浅井は少し笑顔になりながら
みのりの言葉を待つ。
みのりの赤い顔が目に浮かぶようで
どうしても顔が笑う。
…ホントに素直だよな(笑)
浅井が教習の時から
みのりを気にかけていたのは
全然すれてない
素直な反応が気になったからだった。
『浅井さんが…っ
かわいいなんて言うから…
…何も話せなくなっちゃったじゃないですか…』
みのりの必死の言葉に浅井は笑った。
そして
少し真剣な顔をして話す。
「…おまえならすぐ新しい好きなやつができるよ」
『え…』
小さく…
みのりの悲しそうな声が聞こえた。
「…今の気持ちは一瞬だよ。
すぐ…忘れるよ」
そう言った浅井の表情は…
曇っていた。
すぐ忘れるに決まってる…
…沙紀みたいに
浅井の頭に
1年前に出て行った沙紀の事が浮かぶ。
他に男を作って出て行った沙紀は…
浅井の…
妻だった―――…
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