ずっと大好き…この恋は秘密 …

浅井の過去




蒸し暑い体育館の中で
始業式が行われた。


久しぶりに見る友達は
みのりの気分を明るくさせた。



クラスの中には
夏休みデビューしたような子もチラホラいて

みんなにつっこまれてるのを笑ってみていた。



なんとか間に合った宿題を提出して

帰り支度をしていた時、

田崎 里奈がみのりを呼んだ。



里奈はクラスの仲良しグループの1人でとても明るい子。


マイナーなお笑いのテレビを見て若手芸人を見定めるのが趣味で

話題や情報の多さからいつもグループの中心にいた。



「みのり、今日帰り暇?

カラオケしていかない?」


特に用事もなかったみのりは笑顔で頷いた。


初日は始業式と掃除だけで午前中で終わりになるため

他のグループの子もどこに行くかという話題で盛り上がっているようだった。


「メンバーは?」


「それがさぁ、なんかみんな予定あるんだって。

美咲とひとちゃんは部活だし、
ゆりは宿題終わってなくて居残りだし(笑)」


みのりが

机に座り夏休みの宿題に取り組むゆりを見て笑う。


「じゃ2人で行っちゃおうか。

ちょっとハードだけど(笑)」


「うん、行っちゃお〜」



学校を出て
自転車で15分くらいのカラオケに向かう。


9月に入ったのに
太陽はまだ夏の気分でいるらしい。


日焼け止めの上から
紫外線がじりじり降り注ぐ。




カラオケの駐輪場に自転車を止めると

汗が一気ににじんでくる。


みのりと里奈が競争でもしているかのように
少し急いで店内に入った。



汗をかいた体に

店内の冷房は少し寒いほど効いていた。



フリータイムを告げ、ドリンクを持ち部屋に向かう。



部屋のドアを開けた瞬間…




みのりの胸が反応した。







…タバコの匂い。






消臭のためのコロンの匂いに混じり


微かにタバコの匂いがした。






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