ずっと大好き…この恋は秘密 …



「……」


みのりの話を聞いた里奈は

難しい表情を浮かべて少し黙っていた。



そして

みのりをちらっと見て言う。


「みのり、よく告白したね。

あたし告白したことないし…

すごいと思う。


…でも」



里奈が続けようとした言葉が

みのりにはわかった。


唇をかみ締めながら
里奈の言葉を待つ。


「止めなよ…

だって、
みのりに連絡してくるって事は、
きっとこうゆう事に慣れてるんだよ…


みのりの他にもきっといるよ」



里奈の言葉にみのりが頷きながら答える。



「…わかってるんだ。

浅井さんがあたしを何とも思ってない事…

軽い気持ちだって事…


あたしだけじゃないって事…



こんなの止めなきゃいけないのわかってる…


だけど…

それでも好きで…


好きで自分でも止まらない…」



唇をかみしめ
つらい表情を浮かべるみのりを前に…


里奈が黙った。



『好きで好きで仕方ない』


その気持ちはわかるから…





『相手が結婚してるから』


一度は諦めようとしていたみのりを浅井の電話が止めた。





諦めなきゃと思いながら


電話がある度に淡い期待を持ってしまうみのりの気持ちが痛いほど伝わってきて…

里奈は何も言えなかった。




どんなに好きでも


結ばれる事はないから―――…







隣の部屋から

うるさいほどの歌声が聞こえてきて…




2人の部屋の静けさを強調していた。







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