ずっと大好き…この恋は秘密 …


「とりあえず乗って。

…葉っぱ落としてから(笑)」


浅井が服を叩いて

髪の葉っぱをくしゃくしゃっとはらいながら言う。



…かわいい。



みのりはくしゃくしゃになった浅井の髪を眺めながら

葉っぱを落とした。



助手席のドアを開けると
浅井のタバコの匂いがした。



隣に浅井がいるのに

みのりの胸がその匂いに締め付けられる。


ドキドキした胸を押さえながら
みのりがちらっと浅井に視線を移す。



「とりあえず走らせるから」


そう言ってハンドルを握る浅井の姿を

ばれないように見つめた。



「…なんか浅井さんの助手席に座ってるって変な感じ」


みのりの言葉に浅井が笑う。



「オレも同じ事考えてた(笑)

なんか逆じゃねぇと落ち着かないよな。

3回教習が一緒になっただけなのにな」


みのりは浅井の言葉に少し驚いて…

うつむいて笑みをこぼした。





…3回って

浅井さんも覚えててくれたんだ…


それだけでもうれしい…





信号待ちになり、みのりが窓の外を眺める。


いつも通ってる通学路が新鮮に見える。


自分が今、浅井の車の助手席に乗っているなんて信じられなかった。



窓を見つめていると…

浅井の視線に気付いた。




みのりの見ている窓ガラスに

みのりを見つめる浅井の顔が少しだけ反射していて…




その目がなんだか寂しそうに見えて…


みのりが振り向く。




目が合うと

浅井はいつも通りの笑顔で笑った。



「葉っぱついてる(笑)」


そう言って

みのりの髪から小さな葉っぱを取って笑った。






.
< 83 / 475 >

この作品をシェア

pagetop