ずっと大好き…この恋は秘密 …
「浅井さん…
どこ行くの?」
みのりの言葉に浅井は答えなかった。
黙ったままの浅井に
みのりが気まずそうに視線を落とす。
30分ほど車を走らせて
浅井が車を止めたのはかわいいカフェ風のレストランだった。
「降りて」
状況を飲み込めないみのりが
とりあえず浅井の言うとおりに車を降りる。
「…浅井さん
ここ…」
お店を見ながらぼーっとしているみのりに
浅井がニヤリと笑った。
「いいだろ、ここ。
おまえ好きそうだから」
お店の入り口に向かい歩き出した浅井にみのりが駆け寄る。
「でも浅井さんっ」
「ここまで来れば知り合いになんか、そうそう会わないから。
…安心して食っていいよ」
振り向かずに言う浅井に
みのりの胸が高鳴る。
…なんで優しくするの?
『最初で最後』だから…?
でも
浅井さん…
こんな事されたら
忘れられなくなっちゃうよ…
みのりは浅井の後に続いて
お店のドアをくぐった。
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