ずっと大好き…この恋は秘密 …


―――ガタガタッ



台風の風がお店の窓を揺らす。


「すげぇな」


みのりも窓の外を眺めてうなづいた。


「こんな日に何やってんだろうな(笑)」


浅井がみのりに笑いかける。



「浅井さん、チーズ嫌いですか?

かけても平気?」


みのりがテーブルに置いてあった粉チーズを持って聞く。



「いや、嫌いじゃないからかけていいよ」


みのりがパスタにチーズをかけ始めると浅井が苦笑いした。



「おまえ…

そんな豪快にかけるなよ(笑)

せめて小さい穴の方使え(笑)」


「え、でもいっぱいかけるならこっちの方が早いし…

あ、やっぱチーズかけた方がおいしいっ」


パスタをほおばりながら笑うのみのりを見て

浅井は呆れたように笑った。






『こんな日に…』


…でもちょうどいい天気だよ。


『サヨナラ』するには…





太陽がキラキラ輝く中で振られるなんて

さすがにあたしも嫌だもん…




告白した日を思い出すから…





こんなに風が強ければ

ゴミが入ったって言い訳できる。






…もし涙がこぼれても。




同じ人に2回も振られるなんてね…




これは罰かもしれないな…




『奥さん』の気持ちより
『あたし』の気持ちを優先させた


あたしへの罰…








悲しい顔にならないように

みのりは口いっぱいにパスタをほおばった。




チーズが絡んだパスタは少しボソボソしてて

なかなか飲み込めない。



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