ずっと大好き…この恋は秘密 …


見つめ合ったまま

どれくらいの時間が経ったのかわからなかった。




多分…

それは10秒にならないくらいだったが

みのりにとってその10秒は


今まで感じた中で一番長い10秒だった。



浅井が少し顔を近づけた気がして

みのりは慌てて目を逸らした。



「…あたしも髪びしょびしょだし(笑)」


そう笑ってタオルで自分の頭を拭く。


髪の水滴が

上昇する体温で蒸発するんじゃないかと思うくらい

顔が熱かった。






…今の


なんか…



もしかして…





ある二文字が頭から離れず

頭にタオルを乗っけたまま固まるみのりに

浅井がジャージをかぶせた。



「風邪引くから着てろ」


そう言って車を走らせる浅井は

すっかりいつも通りで…



動揺など少しも見られない。






…さっきのは


あたしの気のせい…?






まだ動揺する気持ちを抑えられずに
みのりが浅井のジャージに袖を通す。



タバコと…

整髪料の混ざったような


浅井のプライベートの匂いがした。



指先まで隠れそうな浅井のジャージを着て

みのりは顔が笑わないようにする事に必死だった。




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