王国ファンタジア【草原の民】
「あの日は、いつも穏やかなパンパの草原も、雲に覆われ酷く荒れていた。パンパが荒れることは、時々はあるものの、あの日に限っては、お前の父親が酷く反応していた。そして、その夜、お前の父親はこのキャンプを出ていった。まだ、1歳にも満たぬお前を置いてな…。」
「父は、何を感じ取ったのでしょうか?」
「それは分からない…。如何せん奴自信それを分かっていなかったからな。ただ、奴はいっかいの風使いとは違く、遥か上空の大気をも読め、それによって全世界の危機を感じ取ったのだろう。」
「……。」
「旅立てパンパス!お前に最早、掟という足枷はない。」
「……。」
「旅立てパンパス!お前の父親がしたように、お前も今、旅立つのだ。」
「……。」
「その先に、父親の姿があるかもしれない。その先に、世界の平和があるかもしれない。」
「……。」
「旅立てパンパス!」
「…………!」