王国ファンタジア【草原の民】
しかし、パンパスに風を読んでいる自覚などなかった。
そこで長老は、まず、風読みに自覚を持たせることで、風起こしの切っ掛けを学ばせようと考えた。
そして、その為の訓練が矢受けだった。
パンパスは草原の中に立っていた。
そして、長老はそこから50歩ばかり離れた所に立っていた。
矢受けの訓練とは至ってシンプルなものであり、長老の放った矢をパンパスが避けるだけであった。
そして、長老はパンパスに向けて矢を放つのだった。
さすがに、草原の民の長老だけであり、その矢は寸分の狂いなくパンパスに向かって飛んでいった。
そして、パンパスもパンパス、それを容易く避けるのだった。