王国ファンタジア【草原の民】
パンパスは集中するに連れ、大気が張り詰めていくのかを感じ、圧倒的な存在感に押し潰されそうになるのを感じた。
そして、それは決して初めての体験ではなかった。
以前に一度だけ、弓の鍛錬中に感じたことのある感覚、まさにそれと同じ感覚であった。
そして、長老はそのパンパスの様子に気付き、再び矢を放つのだった。
言わずもがな、パンパスはその矢を掴んだ。
そして、先程感じた感覚を、依然として内に秘めているのだった。
「見えるであろう?」
長老はそう言った。
「はい!私にも矢の流れが見えました!」
パンパスはそう答えた。
しかし、その答えに長老は不服そうであった。
「そうではない…。
お前にも見えるであろう?」
長老は再びそう言った。
そして、パンパスは、そう言う長老の目を追うのだった。