魔法のバスで起きたこと。
魔法の始まり
”私は声が出せない”
まだ小さい時に、ストレスで
いきなり声が出なくなった。
お金がないから病院にも行けない。自信がなくなり外にも出たく無くなった。
よって私は引きこもりに…。
でも、
高校生になってからは
『いつまでもこのままで居たら、もう一生自分は変わることはない。』
そう思い、頑張って学校に通っている。
今のところはいじめも無く、
平和な日々を送っている。
−夏−
眩しい日差しに包まれて、
セミが元気よく鳴いている。
今は学校帰り。
私は急いでバスに乗り込んだ。
学校から家まで、
少し遠い。
お金はかかるが、自転車より早く着く。
《発車します。》
バスのアナウンスが鳴り響く。
とその時。
「隣良いですか?」
私と同い年くらいの男の子が、声をかけてきた。
コクンッ
私は戸惑ったが最終的には、うなづいてしまった。
「…喉にアザが付いてますけど…どうしたんですか?」
男の子が心配そうに問いかけてきた。
私は鞄から、ペンと手帳を取り出し、返事を書いて男の子に見せた。
<昔から喉を触るのが癖で、こんなアザ付いちゃったんです。>
「そうなんですか!…どうして喋らないんですか?」
男の子が不思議そうに問いかけた。
<声が出ないんです。小学生の時から。>
私は戸惑いながらも返事をした。
「そうなんですか…やっぱり、声が出せないって色々大変何ですよね…俺の知り合いでも、声が出せない人居たんですよ。」
私と同じような人居たんだとビックリしてしまった。
《〇×〜〇×です。降りの際は、お近くのボタンを押してお知らせ下さい》
私はボタンを押した。
「次なんですね、降りるの。俺は次の次です。」
<そうですか!結構遠いですね。>
「はい…あっそろそろ着きますよ!」
本当だ!と言わんばかりに、私は立ち上がった。
「それじゃあ、気をつけて帰ってくださいね!」
そう言い男の子は、満面の笑みで私にお辞儀した。
私も深々とお辞儀をしてバスから降りた。
<親切な男の子だったな…>
私は、急いで家に帰って行った。