王国ファンタジア【宝玉の民】
事の真相と切なる願い
疑問は4つ。
何故、【宝玉の民】であると分かったのか。
何故、盗賊[D]だと分かったのか。
何故、【宝玉の民】と分かっていながらドルメックの情報を売らなかったのか。
何故、【宝玉の民】がドラゴン討伐の部隊に召集されているのか。
これらについて、説明を始めた。
「最初に気になったのは、ダンナの瞳の色でした。
左右で違う、その色と輝き…」
ドルメックの瞳は、左が薄茶色、右が深く透き通った赤色をしている。
だが、左右で瞳の色が違う者など今では掃いて捨てるほどいる。
昔と違い、今は血統を重んじるような種族は少なくなってきているからだ。
閉鎖的な種も中にはまだいるが、他種族間での婚姻も公に認められるようになった現在、珍しい髪や瞳の色など、何の違和感も無いはずだ。
「アタシはねぇ、実は魔力を感じることが出来るんですよぉ。
操ることは出来ませんけどねぇ」
それで、ドルメックの右目から魔力を感じ取ったのだと説明した。
「いやぁ、最初のうちは魔力を操れる種族との混血かなぁ〜?
位にしか思ってなかったんですがねぇ」
そう話し、頭を掻く。
魔力を感じることが出来るという、トールの意外な事実に驚いた。
それでもドルメックの正体を知る決め手になった訳ではないようだ。
ドルメックは更に話の先を促した。