どスケベなアイツ
「でも…今来たばっかで…。」


「無理したらあかんって。
さっ、お手をどうぞ?」


野久保さんが、私に手を出した。


エスコートする王子様みたいに。


何故か、私はその手をとった。


その手がとっても暖かくて、優しくて…。


フワフワな雲の上を歩いているみたいで……。


「なあ…麻衣ちゃん。」


「はい。」


「俺と…その…つっ…付き合わへん?」

横を歩く私を見る事なく、真っ直ぐ前を見ながらの、突然の告白。


「野久保さん…?」

「や…有り得へんよな?
10歳も年上のおっさんが、高校生を好きやなんてな?
ええねん、ええねん。忘れてや?」


< 33 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop