どスケベなアイツ
「お願い…。
これだけは、許して?あかんか?」


少し切なく囁く。


フルフルと、頭を左右に振った。


今までにも抱きしめられた事は有ったけど、スケベ心全開って感じがして嫌だったんだ…。


でも、今は凄く心地いい。


「麻衣ちゃん?」


「はい…?」


「あったかいやろ?」


「はい…。」


「人ってな?こんな事しながら愛を伝えていくんやで?
親子もそうやろ?
お母さんや、お父さんて、ちっちゃい時いっぱいしてくれたやろ?
男と女もおんなじやねん。
抱きしめ合うだけで愛が伝わるんや。
嫌らしい事だけちゃうねんで?」


行き場を無くしていた私の手は、吸い込まれる様に野久保さんの背中に廻った。

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