心温まるおくりもの
短編小説
「桃色恋旅館」
「ほら、南!そこちゃんと掃除して!」
「はーい」
うわぁ! がっしゃーん
「水びたし~」
私、南 風夏(みなみふうか)14歳。
おっちょこちょいでいつも失敗ばかり・・・。
「こんなんで一人前の女将になれるのかな・・・」
「無理だな!」
「なっ何よ!七瀬くんに言われたくない!」
彼の名前は木下 七瀬(きのしたななせ)14歳。
いじわるでいつもあたしをけなしてくる。
最低な男!
いちおう彼はここでバイト。そして、私は彼のことが心から好きだ・・・。
「たく、世話のやけるやつだな、おまえは・・・」
七瀬くんがタオルで私の頭を拭いた。
小さな七瀬くんのやさしさが私の心をドキドキさせる。