ミズキカロリー
「これこれ、可愛いでしょ、この水色のケアベアがいいんだけどぉ・・・とれる?」
ゆきみの上目遣いに、いつの間にかやられている僕が僕じゃなかった。
「別にいいけど」
そう言い、軽々と僕はその水色のケアベアをとってあげた。
「うわぁ~、ありがとぉ。ミズキって器用なんだね」
「ちょうどとれただけだよ」
 僕の中で今周りの目からみると、どうしてもカレカノにみられてしまう理屈があった。
だから無理矢理ゆきみを引っ張ってトイレの方までくると、人気がないのを確認して
「おまえのせいでカレカノにみられてんすけど」
「しょうがないでしょ・・・そんなの。第一誘ったのはミズキだし、あたしはもともとミズキのこと好きだからカレカノにみられて嫌じゃないよ」
「こっちは嫌だ」
「じゃあ、もういいよ、帰るね」
「うん」
歩いていく後姿は昨日みたゆきみの後姿より成長したように進んでいった。
 家に帰ってからどうしても気になるのでメールを一通おくってみた。
Re:ゆきみ
Title:無題
ちゃんと帰れたか?
Re:Re:ミズキ
たすけて!
Re:Re:Re:ゆきみ
どこにいるんだよ
Re:Re:Re:ミズキ
帰り道に不良にあっちゃって、今ちょうどいないけどレイプされちゃう。
 すぐさま走ってゆく。
ゆきみめがけて。
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