やまないあめ

調べようとおもえば
知り得たものを

思い出せぬ事すら
忘れてしまうから


いつだってそれは

そのままだ。




「水島ちゃん、このバイト暇でしょ?」


フワッと
ムスクの香りが
漂って、
斜め後ろから
声が掛かる。

あたしは、
あの場所に


きっと


何かを


置いて
来てしまった。



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