王国ファンタジア【ララミーの民】
翌朝、フェニックスが鳥の声で眼をさますと、二匹の野良犬の死骸が転がっていた。
フェニックスは犬の死骸を川に流しながら、いったいどうやったのだろうと思った。
そして、火を起こしてコーヒーを入れて堅焼きパンを食べると、昨日見つけておいたロープで筏を組み始めた。
ホント、筏の組み方習っておいてよかったわ。
楽々と組みあがってお昼を食べてから川を下り始めた。
フェニックスはカイがわりの木切れを使ってするすると川を下っていく。
そして、夕やみが迫ってきた頃、余ったロープを木に投げて筏を止めた。
それから、ゆうげをすませ一息ついた時、懐からリルスの玉を取り出して地面に向けた。
映し出された地図によると今日のペースで行けばあと3日ほどで王都にたどりつけそうだ。
リルスの玉をしまおうとして、ふと手を止めて玉に
[小人さん、今夜も見張り番してくださいな]
と頭で考えて呼びかける。
リルスの玉の中に小人が現れて
[あぁ、もちろんだ。昨日はちゃんとかたずけておいたろう]
[えぇ、ありがとう。でも、どうやったの?]
[なに、ちょいと光を放ったらぶちあたっただけさ]