王国ファンタジア【ララミーの民】
黒猫はドアをくぐる瞬間に特別姿あらわしの術を使った。
もちろん、なずなに姿を見せるため特別な時にしか使わない術を使ったのだ。
だが、これは猫の妖怪なので、声はニャンとしか出せない。
「黒猫さん、タイムマシンのところへどうぞ」
なずなはそう言ってタイムマシンが置いてある部屋に向かって歩き始める。猫も続く。
以下、なずなに聞こえる声を
【ニャン】
ダイヤモンドに聞こえる声を
-かわいいメスだ-
といった感じであらわします。
「メスじゃないよ。ええと女性っていいなさいって言われるんだ」
一番後のダイヤモンドが黒猫に返事をする。
猫はスルーした。
その顔は眼がすっかりたれさがっていた。
きっと膝枕でなでられていることを考えているに違いない。
なずなが長い廊下の途中のドアを開けて二人?を招き入れる。
そこには大きなウサギ型のお腹にタイムマシンと書いてある乗り物?があった。
【ニャン、ニャン】
-おっ、ホントにあるんだな-
「だってタイムトラベルやってますって書いてあったじゃない」