王国ファンタジア【ララミーの民】
フェニックスはララミーの民の山を降りて、いったん地図を確認するために、道ばたに腰を下ろす。
鎖で首にかけてふところにしまっていた黒いリルスの玉を取り出して地面に向けた。
日の光が玉から出て地面が明るく光り始める。そして、地図が映しだされた。
リルスの玉は、剣術及び妖術を極めた者しか知らない隠れ里のリルスの里の産物だ。
持ち主の思考や能力によってさまざまな力を発揮する。
まれに能力の強い者はリルスの玉の中に力を体現した幼魔が現れることもある。
ほとんどの者は簡単な癒しの力や地図を出すぐらいしか出来ない。
「街道を東に一週間ぐらいか」
フェニックスは光の消えたリルスの玉を懐にしまい立ち上がって街道を東に向かった。