王国ファンタジア【ララミーの民】
日が暮れかかるまで歩いてやっと小さな村が見えてきた。
あと少し。
フェニックスがほっと一息ついた時、バラバラと盗賊らしき者が3人行く手に現れる。
「姉ちゃん、通行料を置いていきな」
カシラらしき男が言った。
「イヤよ」
「じゃ身ぐるみはいでもらうぞ。やっちまいな」
手下の二人がフェニックスに向かって突進してくる。
フェニックスはトンボを切って手下を飛び越えて、カシラの首をつかんでさっと剣を抜いてそこに剣の切っ先を向ける。
「もし止めるなら命だけは許してやろう」
フェニックスは右目で首を見て、左目で手下を見て言った。
「お、脅しだ。やっちまいな」
その言葉を聞いて二人の手下が迫ってくるとフェニックスはカシラの首を掻ききって、カシラの体を手下の方に投げ飛ばす。
一人がカシラの体を受けて倒れている間に、フェニックスはもう一人に向かって走り、その胴体を力強くナナメに剣をふるった。
そして、まだ倒れていた手下の体にまっすぐ剣をつきいれる。
血ノリのついた剣と服や顔を手近な草でぬぐって鞘にしまう。
「日がくれないうちに村に入らないと」
フェニックスは何事もなかったように村に向かって歩き始める。