大好きだった人を忘れる法則
「美沙ー!早く支度しないと遅刻するわよー。」
下から甲高い母の声が聞こえる。
あの声が怒鳴り声にならないうちに下に行かなきゃ大変なことになる。
どのくらい大変かは、私が一番よく知ってる。
「はーい。」
制服に着替えてバックをもって下に降りる。
「おはよう」
やけに機嫌がいい母にどうしたのかとたずねると、
「今日お父さんが帰ってくるの」
って凄い笑顔で言われるても…。
「帰ってくるんだ。お父さん」
としか言えなかった。
もう5年は会ってないからなんか変な気持ちだ。