半分の恋~Half of love~
次の日、木ノ下はなぜか休んでいた。
「おい晴、中川、今日も放課後やるぞ」
「でも…」
ぼくにしか聞こえないような小さな声は周りのざわめきにかきけされていった。
そして結局三人で話し合うことになった。
そして放課後―――
「安田くん元気ないね…さては、さゆりが来てないから?笑」
「…ち、ちが…うよ」
「お前わかりやすっ!顔めっちゃ赤いで」
「…」
「なるほどねーじゃあ今日はこれくらいにして、お見舞いにでもいく?」
「バ…バカッ!オレたちが行ったって迷惑になるだけだろ。」
「お…おい晴っ!なんでニヤけてんだよ笑」
「アハハ。顔は正直だね」
話し合いもままならないうちにぼくたち三人は木ノ下のお見舞いに行くことになった。
当然心の落ち着く暇などない
ただ友達の家に行くだけだ。と自分に言い聞かせ、落ち着こうとしてみたものの、心臓の音は鳴りやまない。
それどころかズボンのちょっとした汚れや前髪の位置といった普段なら気にも止めないようことにやけに神経質になっていた。