半分の恋~Half of love~

「さゆりでいいよ!」


「えっ…うん。じゃあそっちも晴でいいよ。」


「うん♪」


こうしてぼくらは2年目にして初めて名前で呼び合うようになった。


いつのまにか時計の針は9時をまわっていた。


「そろそろ帰るわ…」


「うん…」



「明日は絶対こいよ!」


「うん。バイバイ♪」



ぼくはさゆりの家から帰っている間考えていた。


『告白』について。


なぜかこの時のぼくは妙に自身がついていた。


でも家につくころには、どうせぼくなんかが告白してもフラれるだけだなぁ…といつものぼくに戻っていた。



今夜の見事な満月が顔を出したかと思うと、また雲の中に戻っていくように。
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