薔薇の王女
私はしばらく泣いた後落ち着いてセシルさんに部屋まで送ってもらった。

「セシルさん今日はありがとう、セシルさんと会えて本当に嬉しかった」

部屋の前で私はお礼を言う。

「いいんだ。それより風邪をひくなよ、後男の前でそんな格好はするな…」

そんな格好?普通にネグリジェだけど?
私は意味が分からず首をかしげてた。

「……そんな胸が開いた格好でいるなって事だ、何言ってんだ俺は…」

そう言われて急に恥ずかしくなってまたしても顔が赤くなってしまった。

「あ、コートありがとう。寒かったのに」

私は着ていたコートを脱いでセシルさんに返した。

「すまない、臭かっただろ?」

「ううん、大丈夫だよ!!」

だってセシルさんの匂いがしたもん

正直もう少し着たかったけどな

「また会えるかな?」

「お互いが大丈夫な時に、またあのベンチの下に置いたおく。」

「うん、分かったわ。綺麗な百合の華嬉しかったわ。」

「ああ…あれ百合だったんだな、とにかく目印になる華だったら何でもいいって思って町で目についたからあれにしたんだが…」

「知らないのに目印にしたんだ、セシルさんらしいね。」

また少し笑ってしまった。

「華は全て同じに見えるな、まったく分からんな」

はぁ、と小さくため息をセシルさんはついた。
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