薔薇の王女
ケビンが灯りを消したから部屋は真っ暗になった。

そして『ぐごごご…』とでっかいイビキが聞こえる。

こいつは、昔からイビキがうるさいんだよな。

慣れてしまった自分が怖いよ。俺はケビンに背を向ける。

「恋をしてる、か…」

正直自分の気持ちもよく分からん、ただあの少女を見るとほっとけなくなる。

それにあの格好で現れた時は目のやり場に困りとりあえずコートで隠させた。

抱きしめた時思った以上に華奢で守ってやりたいと思ってしまった。
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