薔薇の王女



(ガシャン)

初めて割った卵は力が入り過ぎたのか殻も一緒に入ってしまった。


難しいな、なかなか黄身が綺麗な状態で出てこない


そうだ!割れ目を入れるところ変えてみよっと


私は真ん中に割れ目を入れて優しく割るようにする

すると


パカッ


あ!綺麗に割れたわ!

やったわ!ちゃんとぐちゃぐちゃにならないで出てきた。


ふふっ、これだけのことなのに楽しく思ってしまう。


「クレアー―!卵割れた?」

後ろからフィナの声がして

「あ、今割れたからそっちに持って行くわ!」

「お願い~!次これ混ぜてほしいの。」
私はフィナに混ぜた卵を渡し、お椀のような皿に入った薄黄色の生地を混ぜた。




これがなかなか力がいるみたいで

慣れない手つきでヘラを使ってグリグリっとヘラを回す。


何か甘い香りがしてこの生地でも十分美味しそうだな


味見しちゃダメかな?

いいや、少しだけ


ヘラについた生地を少しだけ指にとり口にいれる


うぅん!甘くて美味しいわ!

「コラぁ~!クレアつまみ食いはダメだって(笑)」

あららっ


見てたのね


「ごめんね、美味しそうだったからつい」

「まっ、私もよくやるから!それより生地混ぜたら型に流し込むわよ。私の方の生地も混ぜ終わったから。」

「ええ、じゃあその丸い型に入れるわね。」

丸い小さい型にスプーンを使って生地を入れていく

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