薔薇の王女
あまりのショックに一瞬気を失いそうになりました。長年連れ添ってきた夫にこんなにもあっさり捨てられるとは!!
「アンですね…私を追い出したらあの子は…メアリはどうなるのです!!!」
「その心配はいらん、メアリはウェールズ城に住まわせる。勿論家臣や侍女何も不自由のないようにする。」
「ウェールズ城…あんな山奥の寂しい所にメアリを…だったら私と一緒に国に連れて行きます!!」
「いゃ、それはならん!!!メアリは私の子であり今度生まれてくる子の姉になるのだ、それにゆくゆくはどこかの国へ嫁いでもらうつもりだ。私が育てる。」
「そんな……あの子が可哀想過ぎます!!」
「いや、もう決めた事だ!!私はこの国の王なるぞ!私に口答えをするな!お前は早々に荷物をまとめて国へ帰れ!!」
それだけ言うと王は荒々しく扉を開け出て行きました。

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