薔薇の王女
でこに当ててた手を降ろし私を見て

「初めてお前の父に会いにグレイ家に訪ねた時、俺はお前に出会った…」

「でも私あなたとは……会ってないわ」

「それは無理もない。俺はお前が侍女に連れられ歩くところを見掛けただけだからな…だが俺はな…」

立ち上がり私の身体を抱きしめる

その腕はいつもより力強く

また暖かく

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