薔薇の王女
そう言い私の手を握る。その手は少し震えていてそれを隠す様に力強く握る。


「クレア私ね、明日処刑されるっていうのに不思議と落ち着いてるの。

それは多分ね、あの人ギルフォードと一緒になれたから…愛する人と過ごせたからだと思うの。」


いけない……泣かないでおこうと思ったのに


我慢しようと思ったのに…


両目から溢れる涙を止められない


「泣かないでクレア…それに私あなたとも出会えた。一緒にお菓子を作ったり笑いあったりした日々が幸せだったわ。」


フィナ


フィナは怖くないの?


「……フィナ私嫌よ…私あなたと一緒に大人になりたい…」


その瞬間
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