薔薇の王女






セシルのキスは優しくて好き


暖かくて優しくて



でも今日は少し違う



今私はちょっと大人のキスをしている


真っ最中


「ふっ……う…んっ…」


お互いの舌を絡ませるって頑張ってるけど


なかなか上手くいかない



でも絡むとゾクゾクとするのは何故かな?



まだ大人になりきれていないから分からないわ





しばらくしてお互い身体を離すと



「そんな顔…反則だ、抑える俺の身にもなってくれ」


そんな顔って?そんな酷い顔してるの私

抑えるって?もうよく分からないわ


「そんな顔って?」


「本当に鈍い方だ、俺以外にそんな誘ってる顔を見せないでくれ……」




急に今までしてきた事が恥ずかしくなって、手で顔を覆いながら背を向ける



「そのドレス似合うな…だが少し肩が出過ぎだ」



クスッ


まるで父親みたい


「ちょっと大人な感じで…でも着てみようかなって思ってね」


フッと少し笑うと


鍵を開け出ようとする




「俺はお洒落だのよく分からん。だがあまり露出の高いのは控えてくれると助かる……」


バタンと扉を閉め、それと同時に力が抜けてしまい座り込んでしまった



セシルが嫉妬しているの?



やきもち妬きだって事はしっていたけど


クールな感じとのギャップがね









今日私は少し大人になりました
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