薔薇の王女





「ああ、知っている。俺も同じだ」


口元を緩ませて笑うセシル


お互いクスッって笑い部屋を目指す










「今日は色々あったから身体も疲れてる、もう休め」


部屋まで送ってくれ
私達はその部屋に着く前に手を離した


堂々と手さえ繋げない私とセシル


本当はもっと一緒にいたい




でも身分が邪魔をする



「ありがとう、今日はもう休むね?
じゃあ、おやすみなさい」







「へぇ、さすがあの女の娘だ。騎士団員まで手を出すとはね…」







声の方を向くと


フェリンペ王子が腕を組み、立っていた


初めて会った時と同じ笑みをしながら


< 474 / 625 >

この作品をシェア

pagetop