薔薇の王女
礼拝堂を出て近くのベンチに座る

アイクは私の横に座るのを遠慮してたけど無理矢理私が座らして

サシャには下がってもらった。

「アイク?さっき中で言ってたお母様が恨んでないって言ってたけど…」

「ええ、アン様は恨み言は言わず最後まで貴方の事を考えていましたよ…素晴らしい方でした」

そうなんだ…お母様は最後まで私の事

「ねえ、アイクって恋ってした事ある?」

いきなりでびっくりしたのか蒼い瞳がおっきくなった、でもすぐにいつもの優しい瞳に戻り

「はい…今でも私はその方を愛しています」

話すアイクは何故か寂しく笑い、それ以上は聞けなかった

でもあのアイクが好きになった人って


またこんど聞いてみようかしら

「アイク…私今恋をしているの!!でもその人とは………」


身分が違う…いっそ王女なんて身分捨ててしまいたいでもその勇気もない私

「クレア様、どうか自分を犠牲にせずその者を愛して下さい…私には貴方が幸せになってほしい」

アイク…あなたはいつも私の事を


ギュッ


「クレア様!?」

「ありがとう!!アイク…いつもいつも嬉しいわ私!」
思わず抱きついてしまった、アイクからは暖かいお日さまのような匂いがした

風の冷たさが身体に感じるこの時期にでもアイクの暖かさは変わらない

だからとても嬉しかった
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