薔薇の王女
しりもちしたお尻を擦りながら座り直し

「でもお姉様は女王でしょ?どうするの?」


「その事なんだけど…私はクレア、お前に王位を譲ろうと思っているの。」

お姉様は立ち上がりランプの火に自分の手をかざす。ゆらゆらと揺れる火はまるで…


「私はフェリンペに言われるがままプロテスタント信者達を火あぶりにした、全てフェリンペのせいだと言える問題ではないわ。私はその責任を取らなければいけない。」


プロテスタント信者達の血が多く流れたのは事実、まだ町の何ヵ所には火あぶり台が置いてある。


お姉様の考えも分かるわ。でもそれでは何も解決しない


「お姉様…あの悲劇の責任を感じているなら尚更退位なんてしてはいけないわ、悲劇を二度と起こさぬように国を治めていく事が亡くなった信者達への償いにもなるわ。」

私も立ち上がりお姉様の手をひき、部屋に飾られてる父親のヘンリー王の絵前に立つ。





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