薔薇の王女
その声に聞き覚えがあり振り向くと



「オスカー…生きていたのか…」



そこにはかつてのメアリ様の家臣であるオスカーがいた。スペイン王子についていき女王を裏切った男。


「何故お前がここにいる?スペインで処刑されたと聞いていた。」



髪は乱れ着ている服もあちこち破け汚れている。だが、目だけはギラギラしていた。


「ふん…他の家臣どもを囮に使ったのよ。処刑される前日に脱走する計画を持ちかけてな、まんまと乗ってくれ全員逃げ切れる訳ないのに。他の奴が殺られてる間に俺は逃げて船帰ってきたわけだ。」



にやりと笑うオスカー


その手には拳銃が握られていた。



ベッドの近くに置いてある自分の剣を取ろうとするが



カチャリ



「動くなよ、頭を吹っ飛ばされたくなければな。」


笑いながらレオナルドに銃口を向ける。


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