夢見な百合の花
「俺はまだ良いよ。仕事がまだ終わっていないからな…」
ケイタはそう言うと、またサヨの方に顔を向ける。サヨはというと、しきりに頭を押さえ、何かを呟くように口を動かしていた。
そのサヨの様子を見て、ケイタは満面の笑顔を浮かべる。
「ところでどうするんだいサヨちゃん…このまま、ヒサ君を一人で天国に逝かせるつもりなのかい?サヨちゃんはそんなに薄情なんかじゃないよね?」
「嫌っ…止めて……一人は嫌なの…」
人の感情が壊れる時…それは、自分の存在を自分で否定する時だ。
サヨの身にも、着々とその瞬間が訪れようとしていた。
「やっぱり一人は嫌だよね?俺もサヨちゃんと同じ立場なら同じ事を考えるよ…ヒサ君も同じ事を考えているはずさ」
サヨの精神が崩壊する最終段階…それは、ケイタの心に本物の悪魔が宿った瞬間でもあった。
常軌を逸した行動。もはや、ケイタも心が壊れた人間であったのかもしれない。
「そんなサヨちゃんに朗報だ。俺が君を助けてあげるよ…嫌な事を忘れさせてくれる、薬があるんだ」
ケイタは自分の上着から、ペンケースの様な、鉄の箱を取り出す。
そのペンケースに入っていたのは、粉末上の粉と注射器。それは、知っている人間が見ればすぐにわかる、麻薬の中では、一番罪が重い中枢神経刺激薬。
除倦覚醒剤。通称、シャブと呼ばれている麻薬だった。
ケイタはそう言うと、またサヨの方に顔を向ける。サヨはというと、しきりに頭を押さえ、何かを呟くように口を動かしていた。
そのサヨの様子を見て、ケイタは満面の笑顔を浮かべる。
「ところでどうするんだいサヨちゃん…このまま、ヒサ君を一人で天国に逝かせるつもりなのかい?サヨちゃんはそんなに薄情なんかじゃないよね?」
「嫌っ…止めて……一人は嫌なの…」
人の感情が壊れる時…それは、自分の存在を自分で否定する時だ。
サヨの身にも、着々とその瞬間が訪れようとしていた。
「やっぱり一人は嫌だよね?俺もサヨちゃんと同じ立場なら同じ事を考えるよ…ヒサ君も同じ事を考えているはずさ」
サヨの精神が崩壊する最終段階…それは、ケイタの心に本物の悪魔が宿った瞬間でもあった。
常軌を逸した行動。もはや、ケイタも心が壊れた人間であったのかもしれない。
「そんなサヨちゃんに朗報だ。俺が君を助けてあげるよ…嫌な事を忘れさせてくれる、薬があるんだ」
ケイタは自分の上着から、ペンケースの様な、鉄の箱を取り出す。
そのペンケースに入っていたのは、粉末上の粉と注射器。それは、知っている人間が見ればすぐにわかる、麻薬の中では、一番罪が重い中枢神経刺激薬。
除倦覚醒剤。通称、シャブと呼ばれている麻薬だった。