夢見な百合の花
その現実知ったのは、俺がこの町に帰ってきてすぐだ。

サヨの元に来るようになって、三日目。俺は、サヨの担当医でもある柏木先生に会ったんだ。

「久しぶりねヒサジ君、随分と男前になったじゃない！子供の成長って早いものね」

「柏木先生…あの時はすみませんでした」

柏木先生は俺に会うと、目を細めねがら、笑顔を浮かべ俺を受け入れてくれた。そして俺は柏木先生に謝罪した。

「どうしたの急に？何を謝っているの？」

謝罪した俺を見て柏木先生は、不思議そうな顔をする。

「…カズヤから話は聞きました。俺の失踪に柏木先生が責任を感じていたと聞いて…俺の勝手な行動で迷惑かけたから謝っておこうと思って」

俺の言葉を聞いて納得したのか、神妙な顔つきで話始める。

「その事ね、あれは私の責任でもあるのよ。それは間違いない事よ…」

「そんな事は…」

「あったわ。私は仮にも精神科医よ…その私が人の心を傷つける様な下手な説明をした。その時点で、私の失態でもあるわ…あの時はごめんなさい」

柏木先生も、俺に向かって謝罪をしてきた。

「それは違う！俺が悪いんです…柏木先生の説明は完ぺきだった」

「いえ、私の説明が下手だった…」

「違いますって、俺の…」

二人とも自分が悪いと言って、話が進まない。

「…じゃあこの話は、二人とも悪いと言う事で終了。それで良いわね？」

「…えっ？」

柏木先生は、急に声のトーンを変え、俺に話かけてきた。
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