夢見な百合の花
「私にも責任があったし、ヒサジ君にも非があった。それでこの話は終了でいいじゃない!ねっ?」
「そう…ですね」
柏木先生は、そう言うとまた笑顔で話しだす。どうやら、今までは演技だったようだな…俺に気を使っての。
これ以上この話を蒸し返しても仕方がないと思い、俺は柏木先生の意見に同意する。
「よし!じゃあこれからの話しをしたいんだけど…ヒサジ君はもちろん協力してくれるわよね?」
「えぇ、もちろんです。俺に出来る事であれば何でもします…」
これからの話…もちろんそれは、サヨの治療の話であろう。俺の返事を聞いた柏木先生は、俺の知らない空白の一年半のサヨの病状について話してくれた。
「私の推測では、サヨちゃんは自分の意思で記憶を封じ込めた。そしてその記憶にはしっかりと鍵がしてあり、その鍵がないとその扉は開かないと私は思うの…」
記憶の扉。嫌な記憶をしまい込み、サヨの自我を破壊しない為のフェイルセーフ…それが働いているのか。
「その鍵が解らないんですね…」
「そう…カズヤ君に昔の話を色々してもらい、何とか昔の記憶を呼び覚まそうとしてみたけど、サヨちゃんに変化はなかったわ。ある一つのキーワード以外はね…」
それは、カズヤから直接聞いたから知っている。それは…
「俺の名前ですよね?」
カズヤは、言っていた。俺の話を聞くと、サヨが発作を起こすと。何度も聞きたがるのに、最後には身体を震わせながら、話を拒絶すると…。
「そう…ですね」
柏木先生は、そう言うとまた笑顔で話しだす。どうやら、今までは演技だったようだな…俺に気を使っての。
これ以上この話を蒸し返しても仕方がないと思い、俺は柏木先生の意見に同意する。
「よし!じゃあこれからの話しをしたいんだけど…ヒサジ君はもちろん協力してくれるわよね?」
「えぇ、もちろんです。俺に出来る事であれば何でもします…」
これからの話…もちろんそれは、サヨの治療の話であろう。俺の返事を聞いた柏木先生は、俺の知らない空白の一年半のサヨの病状について話してくれた。
「私の推測では、サヨちゃんは自分の意思で記憶を封じ込めた。そしてその記憶にはしっかりと鍵がしてあり、その鍵がないとその扉は開かないと私は思うの…」
記憶の扉。嫌な記憶をしまい込み、サヨの自我を破壊しない為のフェイルセーフ…それが働いているのか。
「その鍵が解らないんですね…」
「そう…カズヤ君に昔の話を色々してもらい、何とか昔の記憶を呼び覚まそうとしてみたけど、サヨちゃんに変化はなかったわ。ある一つのキーワード以外はね…」
それは、カズヤから直接聞いたから知っている。それは…
「俺の名前ですよね?」
カズヤは、言っていた。俺の話を聞くと、サヨが発作を起こすと。何度も聞きたがるのに、最後には身体を震わせながら、話を拒絶すると…。