夢見な百合の花
なるべく静かな所がいい。俺は迷わずあるところに向かった…。

それは保健室…幸いにも、保険の先生からいつでも来ていいとお墨付きをもらっている。

あの時は来る気がなかった俺だが、今は保健の先生の一言に感謝したい気分だ…。

一階にある保健室に着くと、数回ノックをし、入室した…すると。

「………」

見た事もない女子と保険の先生が保健室に居た。

女の子は学校指定の制服を着崩す事なく、ちゃんとひも状のネクタイもしっかり着けている、今時非常に珍しい女子だと俺は思った。大概の女子は、スカートを短くしていたり、ネクタイなんて着けていないから…。

「どうしたのヒサジ君？どこか具合が悪いの？」

保健の先生は、俺の様子を見て、俺の元に駆け寄る。

「…ちょっと具合が悪くて、腹も減らないんですよ。ちょっと横になって良いですか？」

具合は決して悪くはない。でも、腹が減らないのは本音だ…。

「…少し顔色も悪いようね。解ったわ！でも、昼食はちゃんと食べないとダメ！少しでも良いから、何か食べないと…良くなるものも良くならないわ」

それは、ごもっともだな。でも…

「…一食抜いたって死にはしないですよ」

俺はそんなにやわではないからな…。

「あのねぇ…死ぬ死なないの問題じゃないわよ。いいからちゃんと食べないとダメ！今、給食のパンを持ってくるから、横になって待っていなさい…」
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